新件番号 | 2544 | 件名 | すべての障害児へ行き届いた教育の保障に関する請願 |
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要旨 | 障害のある子供たちとその家族をめぐっては、社会保障・社会福祉制度の見直しとともに、教育制度の大幅な変更によって、様々な困難が押し付けられている。取り分け、二○○七年から始まった特別支援教育においては、必要な環境や教員配置などの条件整備が不十分であり、教育の後退さえ危惧(きぐ)されている。また、全国一斉学力テストの実施など、競争・格差づくりの教育の推進が、通常学級から排除される障害児を増やすとともに、子供たちの健やかな成長・発達を一層難しくしている。 ついては、すべての障害児に行き届いた教育が保障されるよう、次の事項について実現を図られたい。 一、通常学級に在籍する障害児の学ぶ条件を整えること。 1 三○人以下学級を国の責任で実現すること。 2 エレベーターや障害者トイレの設置など、障害児が安心して学べる環境整備を国が計画的に進めること。 3 通級指導教室をすべての小中学校に設置し、教員を配置すること。 4 特別支援教育コーディネーターなど、特別支援教育を進めるために必要な教職員を、すべての小中学校に別枠で配置すること。 5 障害児が一時的に通学困難になった場合に、学習の空白が生じないよう、その病児の状態に応じて、通常学級に籍を置いたまま院内学級、訪問教育が受けられるような柔軟な対応ができるようにすること。 6 病気や障害があっても後期中等教育(高等学校進学と教育)が受けられるよう保障すること。 二、障害児学級(固定式)を大幅に増設・充実すること。 三、障害児学校の教育を充実すること。 1 長時間通学、教室不足、マンモス学校などの実態を解消するために、障害児学校の適正な通学時間、学校規模及び適正配置について国の指針を明らかにすること。 2 障害種別を超えた学校において、障害に見合った専門的な教育や、集団保障ができるよう、障害別教育部門の設置と教職員配置を制度化すること。 3 障害児学校のセンター的機能を果たすために必要な教員を配置すること。 4 子供たちの通学保障とともに、自立に大きな教育的役割を果たしている寄宿舎の役割を認め、すべての必要な障害児に保障できるように一層充実すること。 |