請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 802 件名 共謀罪新設反対に関する請願
要旨  「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」に盛り込まれた共謀罪新設法案は、「国連越境組織犯罪条約」の批准に伴う国内法の整備として、二〇〇三年三月に初めて国会に提出され、以来、二度の廃案と継続審議を繰り返してきた問題法案である。共謀罪は、法律違反について行おうと話し合い、合意しただけで、その準備さえ始めなくとも処罰されるというものである。対象となる法律違反は、殺人、誘拐などの重大犯罪のみでなく広範で、約六二〇種類にも上り、市民生活の隅々にまでかかわる。話し合い、合意することと、実際に行動することは全く別のことであり、共謀罪は、憲法の保障する内心、言論・表現・結社の自由を侵し、犯罪を実行しなければ処罰しないという日本の刑法体系を根本から覆すものである。共謀罪の対象は話し合うことの内容であり、思想弾圧に使われた戦前の治安維持法の再来を思わせる。犯罪が生じていないのに共謀を立証するためには警察の権限が拡大し、盗聴、対象団体へのスパイの潜入や密告の奨励など市民相互の信頼が失われ、厳しい監視社会となっていく。自由に考え議論したり、政策批判をすることもできなくなってしまう。共謀罪の新設は、自由と人権と民主主義の死をもたらす。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、共謀罪を新設しないこと。

一覧に戻る