請願

 

第169回国会 請願の要旨

新件番号 165 件名 株式を強制取得された少数株主が価格の決定を求めた場合等において、鑑定費用を株主負担としないことに関する請願
要旨  現行法制では、全部取得や合併、営業譲渡を利用した株式の強制取得に際して、会社側の決めた価格に納得できず、価格の決定を求めると、裁判所から鑑定費用を請求され、これを乖離(かいり)率に応じて負担することになる。鑑定費用は、カネボウの場合、五、〇〇〇万円にも上り、少数株主が負担できる金額ではない。少数株主は、株を強制取得されるのであり、強制取得される者が、鑑定費用を請求されるのは、土地収用法と比較しても、不当である。さらに、経営者等が株式を取得する以上、その価格の根拠を説明する責任を負っていると考えるべきであり、理論的にも、会社が負担すべきである。会社法は、株式の強制取得(スクイズアウト)を比較的容易に認める代わりに、少数株主の権利については、価格の決定や買取請求などの少数株主権によって確保しようとするものである。にもかかわらず、少数株主権を行使した場合に、巨額の鑑定費用を請求されるのであれば、少数株主は行使できない少数株主権になりかねない。また、少数株主権が行使できないことになると、経営者・ファンドによる安値でのスクイズアウトが横行し、安心して投資できないことになる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、次の少数株主権の行使に当たり、裁判上必要となる鑑定費用は、権利の濫用であることが明らかな場合を除き、全額会社側の負担とし、株主負担としないこと。
 1 MBOに反対する株主が、価格の決定又は買取請求をした場合
 2 企業価値の過半を超える営業譲渡に反対する株主が、買取請求をした場合
 3 株主の過半数が端数となる比率による合併に反対する株主が買取請求をする場合

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