請願

 

第169回国会 請願の内閣処理経過

件名 安全・安心の医療と看護の実現に関する請願
新件番号 509 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H21.2.4
処理要領 一 医師の確保については、平成十九年五月末に政府・与党で取りまとめた「緊急医師確保対策について」に基づき、産科、小児科をはじめとする病院勤務医の働きやすい職場の整備など医師確保対策の推進のための予算を大幅に増額し、短期的な対策から中長期的な対策まで各般の対策を着実に実行するとともに、都道府県における奨学金の設定等を条件として、医学部定員を平成二十年度において百六十八名増やしたところである。また、平成二十年六月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針二〇〇八」において、これまでの閣議決定に代わり、医学部定員を早急に過去最大程度まで増員することを決定したところである。
また、平成二十年度の診療報酬改定においては、産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担軽減の取組を推進するため、約千五百億円をこれらの取組に充て、重点的な評価を行うとともに、平成二十年度予算においては、医師確保対策の推進のための予算を百六十一億円と大幅に増額し、産科、小児科をはじめとする病院勤務医の働きやすい職場環境の整備などの対策を強化したところである。
 さらに、平成二十年六月に厚生労働省において取りまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」及び同年七月末に政府として策定した「五つの安心プラン」における実効性のある各般の対策を実現・実行することにより、今後とも地域医療とその担い手の確保が図られるよう取り組んでまいりたい。
 看護師等の確保については、これまでも看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)に基づき、看護師等の資質の向上、養成力の確保、再就業の促進、離職の防止等総合的な対策を推進してきており、看護師等の就業者数は毎年着実に増加しているところである。平成二十年度においても、看護師等養成所及び病院内保育施設の運営、国が都道府県に委託している看護師等の確保が困難な医療機関を対象とする人材確保に向けた総合的な支援事業等に対して国庫補助を行っており、今後とも、看護師等の確保に努めてまいりたい。また、厚生労働大臣の下に「看護の質の向上と確保に関する検討会」を立ち上げ、現下の具体的課題を把握するとともに、今後の対応策の基本的な方向性について、検討を進めているところである。
二 看護職員の配置については、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の配置基準を標準として、診療報酬の算定において、配置数に応じた評価を行っているところ。
 診療報酬の算定に当たっては、届出をした入院基本料の算定に必要な一日当たりに勤務する看護職員数や、夜間の配置基準等が定められており、昼夜にかかわらず、入院患者の状態(看護必要度等)、実情に合わせた適正な配置数が確保されるような基準となっている。
 また、保険医療機関については、医療安全管理体制や安全管理の指針の整備等がなされていることを入院料の届出をするための基準要件としており、医療安全管理の観点から適切に看護職員が配置されているものと考えている。
三 看護師等の夜勤日数については、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づき策定された看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針(平成四年十二月二十五日付け健政発八三四号・職発八八六号・文高医二九九号厚生省健康政策局長・労働省職業安定局長・文部省高等教育局長通知)において、「月八日以内の夜勤体制の構築に向けて積極的に努力する必要がある」と示しており、また、平成十七年十二月に策定した第六次看護職員需給見通しの策定方針においても、夜勤については「三交代の場合一人月八回以内」と看護職員の労働の目安を示しているところである。このような中、看護職員の夜勤に関する統計では、三交代制の場合、平成元年では一人月九回であったが、平成十七年では八・四回に減少しているところである。しかしながら、医療技術の進歩、患者の高齢化、重症化により、看護職員の役割は複雑多様化し、その業務密度も高まっていることから、引き続き、看護職員の勤務条件や職場環境の改善を図るために必要な対策を講じてまいりたい。

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