新件番号 | 644 | 件名 | 民法第七百六十六条・第八百十九条改正及び非親権者と子の面会交流を促進するための特別立法に関する請願 |
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要旨 | 日本は離婚に際して、未成年の子がいる場合は、父親か母親のどちらかに親権者を決める単独親権制度になっている。そのために、夫婦は別れても親子は一生不変であるにもかかわらず非親権者は親でなくなるとの誤解から争いが起こりやすく、問題を引き起こしている。まず、司法で親権者の指定が現状追認により決定してしまうことから、子の親権を得ることを目的とした別居時の子の連れ去りと囲い込みが横行し、そうした状況の下では、婚姻中の共同親権下でさえ、非監護親は子との交流を断たれてしまう。さらに、親権のない親の権利・義務が法的には明記されていないために、子と非親権者を会わせない、養育費の支払がないといった弊害が多く起きている。家庭裁判所の乙類調停である「子の監護に関する処分事件」の新受件数は平成八年には一〇、四五九件であったが一七年には二一、五七〇件と倍に増加している。子は有利に離婚するための親の駆け引きとして扱われ、人間として尊重されることがない。離婚に至る調停・裁判では、親権獲得戦争が繰り広げられた結果、相互の憎しみは増幅し、親権を失った親は子との交流を妨害される。非親権親は、子が親権親あるいは再婚相手や内縁相手の虐待に遭っていても、全くうかがい知ることができず、虐待から救うことができない。親権のない親の権利・義務が法的に明記され、実子との頻繁かつ継続的な交流がなされていれば、多くのケースは防止でき、非親権親が子の様子を定期的に見ることができていれば、罪のない子が虐待に遭い死に至ってしまう事件が起こるはずがない。 ついては、次の事項について実現を図られたい。 一、離婚・別居後の非監護親と子の引離しをなくすため、現行の民法第七六六条を改正し、相当なる面会交流及び養育費支払の文言を明文化すること。 二、民法第八一九条の規定により、離婚後は単独親権となっているが、離婚後もそれぞれの親が子の養育に対して責任を負えるように、共同親権も選択できるような規定を作ること。 三、民法で使用されている「親権」を、「親の共同責任」「親の責任」「親の配慮」等に変更することにより、「親権」が親の権利であるという誤解を正すこと。 四、親権のない親及び非監護親の立場(権利・義務)を法的に明確にし、非親権者・非監護親と子との健全な交流を促進するために次に関する特別立法を作ること。 1 子の監護や面会交流等をめぐる父母の実際上の紛争等を抑制するため、離婚前後の父母教育プログラムの実施及び義務化を促進する。 2 非親権者・非監護親と子の面会交流や、父母教育プログラムを促進させるために、任意団体等が全国に面会交流センターを開設する支援をする。 3 子への直接的な被害あるいは潜在的な被害の証拠がない限り、非親権者・非監護親と子が実りある継続的かつ頻繁な交流を持てるよう、子の年齢に応じた相当なる面会交流のガイドラインを作る。 |