請願

 

第168回国会 請願の要旨

新件番号 288 件名 安全で快適な妊娠・出産・子育て環境確保に関する請願
要旨  相次ぐ産科施設の閉鎖による、妊娠、出産期の女性の不安、子供虐待の増加など育児環境は極めて深刻な状態にある。安全で快適な妊娠・出産環境を確保し、安心して子育てができる環境を保証するためには、出産・育児環境の基盤整備とともに、ケア提供者の質の向上を図ることが、喫緊の課題となっている。平成一九年四月、良質な医療を提供する体制の確立を図るために医療法の一部が改正され、助産所開設者は、産科の嘱託医師及び母と子の受入れが可能な嘱託(連携)医療機関を定めることが規定された。しかし、産科医の減少・出産の集約化、産科病棟閉鎖の進行など厳しい状況の下、嘱託医や嘱託医療機関を確保することが困難な状況となっており、開業助産師個人の努力だけでは解決不能になっている。助産所や自宅での分娩(ぶんべん)は、年間約一三、○○○件前後を推移しており、助産所で出産を希望する女性の選択権を今後とも保証していくことが必須である。助産師は正常な自然の出産を守備範囲としているが、常に異常の発生に備え、助産所や自宅の出産を希望する母子が、出産時、急変した場合において不利益を被らないよう措置することが必要である。開業助産師が母子の搬送を依頼した場合は、母子の安全性確保の観点から、それらの搬送を受け入れられるように強固な対策を立てること、並びに開業助産師のために産科の嘱託医師や嘱託医療機関が確実に確保できるような施策の推進を図るよう求める。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、母子の安全を最優先している開業助産所が引き続き安心して業務が継続できること、また新たに開設ができるように医療法第一九条に規定される産科嘱託医師・嘱託医療機関が確実に確保できるようにすること。
二、助産所を包含した周産期医療ネットワークの整備が速やかに推進されるよう必要な措置を講じること。
三、医療施設内での自然分娩を希望する女性と家族の要望にこたえるため、助産師が主体となった助産師外来や院内助産所の開設を支援すること。
四、助産師の量と質を確保のために助産師養成機関の存続・開設への支援と助産師教育の充実を図ること。
五、潜在助産師の就業対策として、研修等を各地域で実践できるよう支援すること。

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