請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 2116 件名 難治性進行がん患者の未承認遺伝子治療薬使用を妨げず、最大限のインフォームド・チョイスと生存権を保障することに関する請願
要旨  Ⅳ期膵(すい)がん胆道がん、軟部肉腫(しゅ)などの難治性進行がんは、いまだ治療法が確立していない。したがって、積極的治療によるQOL(生活の質)の向上と延命を期待する患者と家族は、医療従事者等から情報提供を受けながら、自己責任において、最適と信じる治療法を自ら選択するよりほかない。二○○六年にフィリピンで承認され米国でも治験新薬として使用されている「Rexin―G」は、有害事象がほとんどなく広範な悪性腫瘍(しゅよう)について一定の臨床的有用性が期待されることから、国内でも多くの難治性進行がん患者が有償治験外使用を望んでいる。しかし、通常の未承認薬と異なり、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療薬であることから、カルタヘナ法を根拠に厚生労働省と環境省の指導によって輸入が規制されている。「Rexin―G」のレトロウイルスベクターは、既に国内で第一種使用が認められている複数のレトロウイルスベクターと同様に自己複製能力を欠いており、環境多様性影響が発生するおそれはないにもかかわらず、一五○例を超す国内外の臨床試験や治験外使用を通じて「Rexin―G」の安全性と一定の臨床的有用性が実証されつつあるという情報だけを与えられ、国内で「Rexin―G」の投与を受けることを選択する自由を奪われている現状は、難治性進行がん患者の生存権を侵害するものである。難治性進行がん患者の予後にかんがみ、この問題はできる限り早期に解決が図られなくてはならない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、がんの遺伝子治療用の向病巣性ナノパーティクル「Rexin―G」(Retroviral Expression Vectors Bearing Inhibitory Genes)につき、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)第一種使用規程を速やかに承認し、日本国内での治験外使用(compassionate use)を妨げないこと。

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