請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 2063 件名 年金制度の国による直接・一体的運営と社会保険庁職員の雇用確保に関する請願
要旨  政府・与党が一○○年安心としていた二○○四年年金改革は、出生率が予想を下回り、給付水準の見直しや支給開始年齢の引上げが取りざたされるなど、不信・不安に拍車が掛かっている。こうした中、昨年一二月に示された与党年金制度改革協議会の「社会保険庁改革の推進について」では、制度や財源は国の管理、運営は非公務員型の公的新法人、業務の大半は民間に委託するとしている。さらに、職員は社会保険庁をいったん退職した後、第三者機関の厳正な審査を経て再雇用するなどとしており、事実上の分割・民営化にほかならない。政府・与党は、これに基づく法案を通常国会に提出した。公的年金制度は、長期にわたる加入記録や保険料の着実な管理が求められる。しかし、多くの業務を民間企業が運営した場合、もうけの対象とされ、商品へと変質し、制度の後退にもつながる。老後の命綱である年金制度は、国の責任により拡充し国の機関が運営することが、国民生活の権利擁護、安心・安全のためにもなくてはならないものである。また、組織改編に伴い、職員の恣意(しい)的な選別採用により、大量の解雇者を生じさせることは認められない。国の行政機関の減量化では雇用調整本部が設置され、定員を上回る職員の他省庁への配置転換が行われているが、少なくとも、この枠組みを活用し、職員の雇用を確保することは、使用者たる国の責務である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、社会保障制度改善を放置し、組織改編のみが検討されている社会保険庁改革を中止すること。公的年金制度はその安定的運営を確保するため、国が直接、責任を持って運営すること。
二、社会保険庁職員に対する、選別採用などの雇用問題や、労働条件の不利益変更などの問題を一切生じさせないこと。

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