請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 2021 件名 被用者年金一元化にかかわる既裁定年金削減の中止に関する請願
要旨  被用者年金一元化法案が通常国会に提出された。年金制度の最大の問題は、膨大な無年金・低年金者の数や年金保険料納付率の低迷など、年金空洞化の問題であり、急ぐべきは、最低保障年金制度など一階部分の抜本的な改善である。職域年金部分廃止の代替制度の先送りに示されるように、政治的意図を優先した法案と言わざるを得ない。同法案には、旧恩給制度にかかわる追加費用の削減と、これに伴う年金削減が含まれている。一定の歯止めがあるとはいえ、財務省試算によれば数万円から三〇万円の削減となり、退職公務員にとって重大な事態である。恩給制度は、軍人と公務員に国が約束し、国と自治体が行ってきた制度であり、当時の公務員にとって、労働条件の一部である。国などがその費用を負担することは当然の義務である。したがって、追加費用は、共済年金の財源とは異質のものであり、一元化を理由に削減することは許されない。また、受給中の年金の削減は、受給権者の財産権を侵害するものであり、退職公務員の老後の生活設計を狂わせ生活を脅かすものである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、被用者年金一元化を口実に追加費用と既裁定年金を削減しないこと。
二、公務員の生活と権利を圧迫し志気を低下させる一元化をしないこと。
三、最低保障年金制度を含めて、年金制度の抜本改善を行うこと。

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