請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 1532 件名 国民の安全・安心の願いにこたえる公共事業に関する請願
要旨  二〇〇六年もまた、全国各地で、相次ぐ大雨、台風、豪雪などによる多くの災害が発生し、貴い命と財産が犠牲になった。日本の国土は、地震や噴火、風水害が発生しやすく、さらに地球温暖化と市街地再開発などの影響で気候変動が大きくなり、冬の豪雪と夏の気温上昇・豪雨が同時に発生しており、過去の気象観測から想定できない災害への対策が急がれる。建設業界においては長期不況による市場の縮小と競争の激化によって、ダンピング受注と下請に対する指し値発注や下請代金・賃金の切下げ・遅延・不払などが横行し、建設業者の経営と労働者の生活が深刻な危機に陥っている。また、アスベスト粉じん問題では建築物解体・改修現場での早急な施策が求められている。(一)公共施設の建設・維持管理と防災・環境保全事業を国民の安全・安心を保障するものにすること(二)公共事業を不要不急の大型開発型から住民生活向上に資する事業優先型へ転換すること(三)建設現場で働く労働者に適正な賃金・労働条件を確保し、地域経済を支える建設業者が適切な収入を確保できるようにすることを求める。
 ついては、良質な社会資本整備と公正な事業執行を求め、次の事項について実現を図られたい。

一、公共事業を防災・生活・環境保全優先に転換するために
 1 防災・生活・環境保全関連予算及び公共施設の維持修繕予算を大幅確保すること。
 2 環境破壊を防止するため乱開発を規制する法体系を整備すること。
 3 公共事業長期計画を国会承認事項とし、情報公開及び住民参加による事業決定のシステムを確立すること。
 4 公共工事の監督・検査及び公共施設の維持・管理は国と自治体が責任を持って行うこと。公共施設の維持管理は指定管理者制度を活用しないこと。監督・検査を市場化テストの対象としないこと。
 5 公共事業発注官公庁及び独立行政法人等の体制を拡充し、最先端の現場を担う事務所・出張所などの出先機関を優先して必要な職員を確保すること。
二、公共事業において、公正な賃金・労働条件と業者の適正な収入・仕事を確保するために
 1 最低制限価格を設定するなど公共工事でダンピング受注を防止する有効な仕組みをつくること。
 2 専門工事業など下請企業・資材業者に対し適正な単価と賃金及び労働者に対し労働条件が確保される仕組みをつくること。
 3 官公需法(官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律)を厳守し、中小建設関連業者の受注機会を確保すること。
 4 品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)の運用によって中小企業を排除しないこと。

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