請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 1034 件名 ウィルス肝炎総合対策の推進に関する請願
要旨  平成一八年六月、最高裁判所は、我が国におけるB型肝炎の蔓延(まんえん)は注射針・筒連続使用した集団予防接種と感染防止を怠った国の行政に原因と責任があるとの判決を下した。この判決の意義は、B型肝炎のみならずC型肝炎を含め、ウィルス肝炎患者・感染者(キャリア)のすべてに及ぶものである。我が国のB型、C型ウィルス肝炎患者・感染者は三五○万人以上と推定されているが、実態は把握されていない。肝炎を発症している患者と肝硬変、肝がんに進行した患者は、治療とその費用に苦しみ、また生活の基盤を失うなど、心身の苦痛のみならず、経済的にも多くの困難に直面しており、その救済は深刻かつ急を要している。また、ウィルス肝炎患者・感染者は社会生活のあらゆる場面で偏見・差別に苦しんでいる。ウィルス肝炎の感染の原因と被害の蔓延の責任が国にある以上、一刻の遅滞もなく、国が、患者・感染者の救済を実現すべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、ウィルス肝炎患者・感染者救済と感染被害拡大を防止するための肝炎総合対策を至急確立すること。
二、医療費の自己負担に対する公費助成を一日も早く実施すること。
三、ウィルス肝炎患者・感染者の生活支援対策を実施すること。
四、全国の肝炎専門治療体制を早急に整備すること。
五、早期発見、早期治療を実現させるために、公費による検査体制の全国整備を急ぐこと。
六、ウィルス肝炎患者・感染者のための相談体制をつくること。
七、ウィルス肝炎患者と感染者に対する社会的偏見や差別をなくすこと。

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