請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 399 件名 共謀罪の新設反対に関する請願
要旨  国会で共謀罪が新設されようとしている。これに対しては、多くの法律家団体、市民団体が反対の声をあげている。法案によれば、共謀罪は、死刑・無期又は長期(刑期の上限)四年以上の刑を定める罪に当たる行為で、「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」を罰するとしている。しかし、共謀罪には重大な問題点がある。第一に、対象犯罪や対象となる組織が広範囲・無限定であることである。殺人など重大な犯罪にとどまらず、道路交通法や消費税法違反なども含めて約五六○もの罪が対象となっている。また、組織は、暴力団などに限定されず、二人以上の団体・サークルも組織とみなされる。第二に、捜査権限が大幅に拡大されることである。凶器を買ったり、計画を立てるなどの準備行為がない段階で、言わば話し合っただけでも共謀罪が成立するため、室内盗聴など盗聴法の運用拡大やスパイ工作などの捜査や、自白を強制する取調べ、また自首した場合は刑が軽減されることから、他人(共犯者)のうそで犯人にされたりする危険もある。第三に、相談や話合いを犯罪として捜査・検挙することは、憲法で保障された、思想・信条の自由、内心の自由、言論・表現の自由、結社の自由を侵すものである。市民運動や住民運動、労働組合運動にも適用されかねない。政府(法務省)は、共謀罪を新設しなければならない立法事実はないとしながらも、批准した国連越境組織犯罪防止条約に共謀罪が規定されていることを理由としている。しかし、条約ではマフィアなど越境の職業的犯罪集団を対象にしており、法案はそれを大きく踏み越えたものになっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」に盛り込まれた共謀罪の新設を行わないこと。

一覧に戻る