請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 358 件名 学費値上げ反対、大学予算増額に関する請願
要旨  初年度納付金(入学金・授業料など)は、国公立大学で八〇万円、私立大学平均で一二〇万円を超え、「高過ぎる学費を何とかしてほしい」は学生・父母に共通の願いである。ところが政府は、二〇〇四年四月の国立大学法人化に伴い、大学に交付する予算(運営費交付金)を毎年減らす計画を進めており、一層の学費値上げや学部別授業料の導入が懸念される。私立大学の経常費に対する助成金の割合も、参議院文教委員会附帯決議(一九七五年)が「できるだけ速やかに二分の一とするよう努める」としているにもかかわらず、一九八〇年の二九・五%をピークに現在では一二%台にまで下がっており、学生の七割以上が学ぶ私立大学の高学費に拍車を掛けている。国の奨学金の規模抑制や無利子枠の縮小を求める議論も内閣府内の会議で出ている。憲法や教育基本法は、「国民の教育を受ける権利」「教育の機会均等」を定めており、その保障へ責任ある手立てを採ることは政府の務めである。ドイツ、フランスでは学費は基本的に無償、アメリカでは学生の八割を占める州立大学の学費が四七万円であることに照らしても、日本の学費の高さは異常である。アメリカ、ドイツ、フランスは、奨学金制度も、返還を必要としない給付制を柱に据えている。国内総生産(GDP)比で見た国・地方の高等教育への支出は、日本は〇・五%にすぎない。アメリカの〇・九%、ドイツ・フランスの一・〇%並みを目指せば、学費値下げへの転換など学費負担軽減は可能である。
 ついては、学生がお金の心配をせず安心して大学で学び、二一世紀の担い手として成長できるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、学費値上げを抑えるため、国立大授業料標準額の据置き、私大経常費に対する国庫補助増額など、国として責任ある手立てを尽くすこと。
二、学生・父母の学費負担軽減へ、無利子奨学金枠や学費減免制度を拡充すること。
三、以上の項目を実現するためにも、大学予算を大幅に増やすこと。

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