請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 195 件名 性の蹂躙・性的搾取を許さない、女性の人権の確立を目指す法制定に関する請願
要旨  一九五六年に成立した売春防止法は、売春は悪であると宣言し、公娼(こうしょう)制度を否定した法律として当時としては画期的とうたわれたが、五〇年たった現在、矛盾・ほころびが目立っている。かつての赤線地帯(特殊飲食店街)はなくなったが、代わって性産業地域(性風俗特殊営業)が存在し、公認買春地域となっている。売春防止法は売春女性が罰せられ、買春男性は野放しの法体系である。男女両罰制を採る国もあり、スウェーデンでは一九九九年より買春男性のみ罪を問う法律が施行されている。女子差別撤廃条約批准に当たり、売春防止法は条約の精神に違反すると主張したが、政府は受け入れなかった。日本は、人身売買大国と言われ、アメリカ国務省は人身売買報告で日本を低く評価し、二〇〇五年六月までは四段階の下から二番目に分類していた。日本の刑法では、海外へ人を送り出す者は処罰されても、海外からの外国人女性のトラフィッキング(人身売買)を処罰する規定はなかった。ようやく、第一六二回国会で刑法が改正され、人身売買業者、性産業者の取締りが規定されたが、被害女性たちの保護・人権確立は不十分である。DV防止法の施行とも関連し売春防止法に基づく既存の婦人保護事業では対応できない状況が生まれている。
 ついては、女性の性を人権としてとらえ、女性福祉の拡充強化を目指して売春防止法の改正ではなく、女性の人権を確立するための新たな法体系を立てられたい。

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