請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 146 件名 中国残留日本人孤児問題の全面解決に関する請願
要旨  中国残留日本人孤児は、戦前、国策により国内各地から中国東北部(旧満州)に移民させられ、一九四五年の終戦の直前直後には、移民に応じた多くの国民が筆舌に尽くし難い逃避行を強いられ、その中で家族と離散し多数の幼子が中国に取り残され、中国人に預けられるなどして生き延び、その後中国で人生を過ごすも、望郷の念に駆られ、晩年は母国で平穏に暮らしたいと念願し日本に帰国してきた人たちである。ところが、政府の孤児に対する政策は、生活保護を中心とする極めて不十分なものであった。昨年一二月の神戸地裁判決は、孤児の被害は戦争損害ではなく、政府が日中国交回復後に孤児の救済責任を負っていたにもかかわらず、様々な帰国制限の措置を講じたことは違法であると認め、帰国後の自立支援が法的義務であることを認定し、それが北朝鮮拉致(らち)被害者に対する支援策より貧弱であることは許されないと判示した。これに対して、安倍首相は「きめ細やかな支援をしていかなければならない」と談話を発表したが、厚生労働省は、従来の政策を改めようとしていない。孤児たちは、日本人として平穏に暮らせる保障を求めて、全国一五地裁で裁判を起こしており、東京地裁、徳島地裁、広島地裁、高知地裁などで判決が言い渡される。判決を契機に、政府がこれまでの孤児政策を抜本的に転換することが求められる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律(自立支援法)」を改正し、国の責任において残留孤児の生活を保障・支援する旨を明記すること。
二、残留孤児の生活保障のため、残留孤児を対象とした新たな給付金制度を創設すること。

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