請願

 

第165回国会 請願の要旨

新件番号 743 件名 豊かな私学教育の実現を求める私学助成に関する請願
要旨  私学教育の振興は国の重要な責務であるが、政府の骨太の方針では、教育予算減額と私学助成削減が提示されている。また、三位一体の改革により、国の地方交付税交付金が削減されたため、都道府県は義務教育への支出削減と並んで私立学校への助成費も削減しようとする動きを見せている。私学助成の充実・改善は、国の責任において、重点的に取り組むべき施策である。高等学校への進学率は九七%を超え、義務教育化している。しかし、私立高校に通う生徒の学費は公立の四倍ないしこれ以上になっており、公私間学費格差の是正・保護者負担の軽減は、切実な願いである。私立に通う生徒は、全国で一○七万人(全高校生の二九・六%)に達しており、公教育を担う私学に対する国の助成は極めて重要である。教育条件を見ても、公立高校で実施されている四○人学級が一○年以上経過しているにもかかわらず、私立高校では実施されていないところがある。専任の教員数も、公立高校に適用されている標準定数法よりも、全国平均で二六%も下回っている。少子化社会にあって、子育て支援と幼児教育の改善・充実が肝要な課題で、幼稚園の少人数学級の実現が望まれる。高校新卒者の一九%が学ぶ専修学校専門課程(専門学校)に対する国の経常費助成はない。多様な進路の保障、公平な国費配分からも経常費助成の新設が期待される。全大学生の七三・八%が通っている私大に対する経常費補助は経常経費の一二%でしかない。高度な科学社会にあって、高等教育充実が求められている。
 ついては、豊かな私学教育の実現のため、次の措置を採られたい。

一、私立学校の保護者負担を軽減するとともに教育条件改善のため私学助成を拡充すること。
 1 私立高等学校の教育条件の維持向上と学費負担の軽減に資するため私立高等学校等経常費助成費補助の改善充実の措置を講ずること。
 2 私立高等学校の教育条件の維持向上を図り、公私間格差の是正のため次の事項の補助を拡充すること。
  (一)きめ細かな学習指導を可能にする少人数授業編制推進のための補助
  (二)専任教諭の配置率向上など標準的な教職員数を確保するための補助
 3 私立学校の教育施設設備整備のための特別助成措置を講ずること。
 4 過疎地域の私立高校に対する特別助成の継続と拡充及び小規模校への助成の拡充を図ること。
 5 保護者の家計急変に伴う授業料減免事業特別経費補助を継続すること。
 6 私立大学の教育研究の、一層の充実と学費負担の軽減に資するため、私学振興助成法の趣旨に基づき、その経常的経費の二分の一補助達成を目指して、経常的経費補助の拡充を図ること。
 7 私立幼稚園におけるティーム保育指導を始めとする、少人数保育を促進させるための補助の拡充を図ること。
 8 私立専修学校教育の振興を図るため、情報処理関係設備及び大型教育装置整備費補助の拡充を図ること。

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