請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 2325 件名 防災・環境・生活優先の公共事業への転換に関する請願
要旨  二○○五年、福岡西方沖地震を始め、梅雨前線や相次ぐ台風の上陸による災害が発生し、多くの尊い命と財産が犠牲になった。私たちの国土は、地震や噴火、風水害が発生しやすく、さらに地球温暖化と市街地再開発などの影響で、都心の気温上昇、豪雨水害などが発生しており、これらに対する防災対策が急がれる。一方、建設業界においては、長期に及ぶ不況による市場の縮小と競争の激化によって、採算無視の指し値発注や下請代金・賃金の切下げ・不払などが横行し、業者・労働者が倒産、夜逃げ、賃金不払、自殺に追い込まれる深刻な事態に陥っている。また、深刻になっているアスベスト被害の対策について、早急な対応が求められている。国民の安全を保障する防災対策、暮らしの基礎となる環境保全事業、住民生活向上につながる公共事業を求めると同時に、現場で働く労働者の公正な賃金・労働条件を確保し、地域経済を支える建設業者が適切な収入を確保できるよう、対策を求める。良質な社会資本の整備と公共施設の維持管理及び公正な事業執行ができるよう、国・地方自治体、その他発注機関、職場の体制を充実するよう強く求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、公共事業を防災、生活、環境保全優先に転換するために
 1 防災・生活・環境保全関連予算及び公共施設の維持修繕予算を確保すること。
 2 環境破壊を防止するため乱開発を規制する法体系を整備すること。
 3 公共事業長期計画を議会承認事項とし、情報公開及び住民参加による事業決定のシステムを確立すること。
 4 公共工事の監督・検査及び公共施設の維持・管理は国と自治体が責任を持って行うこと。民営化や包括的民間委託につながる公務サービス「市場化テスト」の対象としないこと。
 5 公共事業発注官公庁及び独立行政法人等の体制を拡充し、最先端の現場を担う事務所・出張所などの出先機関を優先して必要な職員を確保すること。
二、公共事業において、労働者と中小業者の仕事と適正な収入を確保するために
 1 下請企業・資材業者・建設労働者に対し適正な下請単価と、賃金及び労働条件が適正に確保される仕組みをつくること。
 2 官公需法(官公需についての中小企業の受注の確保に関する法律)を厳守し、中小建設関連業者の受注機会を確保すること。
 3 品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)の運用によって中小零細企業を排除しないこと。

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