請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 1782 件名 総合的な肝疾患対策の拡充に関する請願
要旨  我が国の肝炎ウイルス持続感染者(B型、C型)は、三五〇万人以上と推定され、その克服は、大きな課題となっている。感染経路は、針・筒連続使用の集団予防接種、輸血や血液製剤、不適切な医療行為など、患者は自ら防ぎようのない原因で感染した「医原病」で、国の公衆衛生、血液、薬事行政によって生じた被害者と言っても過言ではない。一方、肝硬変・肝がんの死亡数は年間四万五千人を超え、その九五%はB型、C型肝炎ウイルスが原因だと言われ、予防対策は急務となっている。特に肝がんの八〇%以上を占めるC型肝炎は、自覚症状がないため、発見されたときは手遅れになることもある。肝がんの予防対策は、肝炎ウイルス検査の拡充と受診率の向上が必要であり、感染者の健康管理と適切な治療体制を整備することが重要である。患者が治療に専念できる医療費支援を包含した総合的な肝疾患対策の拡充を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、ウイルス性肝炎に対する新しい治療薬、治療法の研究・開発を促進し、早期に健康保険の適用とすること。
二、肝炎患者が全国どこでも、適切な専門医療が受けられる体制を整備すること。
三、ウイルス性肝炎の正しい知識の普及・啓発により、肝炎患者・感染者に対する偏見と差別、取り分け就学、就労差別をなくすよう具体的施策を実施すること。
四、ウイルス性肝疾患に対する医療費の負担軽減を検討すること。
五、肝疾患患者の社会的支援のために、重い肝機能障害を「身体障害者福祉法」の対象にするよう検討すること。

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