請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 864 件名 ILOパートタイム労働条約(第百七十五号)の批准に関する請願
要旨  企業は正社員を削減してパートや派遣などの非正社員への置き換えを進めており、非正社員は、一、五〇〇万人を超え、三人に一人となっている。非正社員の多くは、有期雇用で不安定な働き方を余儀なくされ、不合理な処遇により低賃金で働かざるを得ない状況に置かれており、多くが女性である。国連で女性差別撤廃条約が採択されて二六年になるが、日本における男女平等のための措置は進んでいない。女性差別撤廃委員会は、日本政府に対しての勧告を二〇〇四年に採択した。その中で、パート、派遣労働に女性の比率が高く、賃金が低いなど不利益な取扱いを受ける場合には間接差別に当たると言及している。二〇〇六年の男女雇用機会均等法の改正に際しては、間接差別の禁止を盛り込むことが期待されている。二〇〇三年にパートタイム労働法の指針が改正されたが、現行の努力義務規定では、処遇改善が進むのかと疑問の声があがっている。パートタイム労働法が制定されて一〇年以上が経過しているが、パートタイム労働者と正社員間の処遇格差は拡大傾向が続いている。また、指針で正規労働者と同様に転勤や配置転換など人材活用の仕組みが実質的に同じパートは正規と処遇の決定方式を合わせるとしているが、この指針では差別的な労働条件の改善には実効性が乏しく、格差是正は進まない。ILOパートタイム労働条約の主旨に基づき、均等待遇を明記、罰則規定などのある実効あるパートタイム労働法に改正すべきである。
 ついては、パート労働者の労働条件改善と均等待遇実現のため、次の事項について実現を図られたい。

一、ILOパートタイム労働条約(第一七五号)を早期批准すること。

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