請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 753 件名 豊かな私学教育実現を求める私学助成に関する請願
要旨  私学振興は国の重要な責務であり、私学助成の充実・改善は重点的に取り組むべき施策である。三位一体改革と称し、国庫補助金を削減し、税源を地方に移譲するとともに地方分権を推進する方針を政府は打ち出しているが、削減総額だけが先行している。教育にかかわる補助金を削減することは、教育の地方間格差や公私間格差を助長し、教育の機会均等を損なう危険性をはらんでいる。私立高校に進学する生徒は、全国で一一一万人(全高校生の二九・三%)に達しており、公教育を担う私立高校に対する国の助成は極めて重要である。しかし、三年間の学費を比較すると、私学は公立の四倍になっており、公私間格差の是正・保護者負担の軽減は、切実な願いである。教育条件を見ても、公立高校で四○人学級が実施されて一○年経過した今も、私学においては不十分なところがある。専任の教員数も、標準定数法に基づいて比較すると大幅に下回っている。幼稚園においては、子育て支援と幼児教育の充実が緊要な課題で、少人数学級の実現が強く望まれる。一方、専修学校専門課程(専門学校)に対する国の経常費助成は行われていない。多様な進路の保障、公平な国費の配分からも経常費助成の新設が望まれている。また、私大に対する経常費補助は一二%以下でしかない。旧国立大学と比較しても私立大学生一人当たりの国の教育費負担は九分の一であることを見ても、国の助成拡充は優先的に講じなければならない。
 ついては、豊かな私学教育の実現のため、次の措置を採られたい。

一、私立学校の保護者負担を軽減するとともに教育条件改善のため私学助成を拡充すること。
 1 私立高等学校の教育条件の維持向上と学費負担の軽減に資するため私立高等学校等経常費助成費補助の改善充実の措置を講ずること。
 2 私立高等学校の教育条件の維持向上を図り、公私間格差の是正のため次の事項の補助を拡充すること。
  (一)きめ細かな学習指導を可能にする少人数授業編制推進のための補助
  (二)専任教諭の配置率向上など標準的な教職員数を確保するための補助
 3 私立学校の教育施設設備整備のための特別助成措置を講ずること。
 4 過疎地域の私立高校に対する特別助成の継続と拡充を図ること。
 5 保護者の家計急変に伴う授業料減免事業臨時特別経費補助を、継続すること。
 6 私立大学の教育研究のより一層の充実と学費負担の軽減に資するため、私学振興助成法の趣旨に基づき、その経常的経費の二分の一補助達成を目指して、経常的経費補助の拡充を図ること。
 7 私立幼稚園におけるティーム保育導入を始めとする、少人数保育の促進のための補助の拡充を図ること。
 8 私立専修学校教育の振興を図るため、大型教育設備費整備補助等の拡充を図ること。

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