請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 750 件名 視覚障害教育・職業教育を守ることに関する請願
要旨  国が進めようとしている特別支援教育は、これまでの盲学校・ろう学校・養護学校に代えて障害の種別をなくした特別支援学校に、また、障害児学級に代えて、普通学級に学籍を置く特別支援教室に移行させるものである。現行一六万人の障害児学校・学級在籍者に加えて、学習障害児など、新たに六七万人を障害児教育の対象にするものの、現行の教職員数・予算の範囲内で進めようとするものであり、これまでの障害種別に応じたきめ細かな教育が維持できるのか心配されている。特別支援学校には、重度・重複障害児と一緒に、あん摩マッサージ指圧はりきゅう科、理学療法科、情報処理科、音楽科などの高等部生が学ぶことになる。さらに、様々な教育予算削減の動きが伝わる中で、教職員定数、寄宿舎、就学奨励費制度の維持等への懸念も加わって、視覚障害教育・職業教育の将来を不安視する声が、保護者、教職員に広がっている。加えて、義務教育段階の障害児教育の議論だけが先行し、高等部教育・職業教育に関する議論がいまだなされていない。視覚障害者の就業率は極めて低く、あん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師・理学療法士養成教育、情報処理・音楽従事者養成のための職業教育の役割は重要である。
 ついては、視覚障害に応じたきめ細かな専門的教育・職業教育を守り発展させるため、次の事項について実現を図られたい。

一、盲学校の必置義務と弱視学級を残すこと。寄宿舎の必置義務を残すこと。
二、引き続き、国の責任において必要な教職員を確保すること。高等部専攻科教育において必要な教職員を確保できるようにすること。
三、平成一七年度に廃止された高等部職業教育設備充実事業を復活すること。どの学校でも必要な設備が確保できるように予算を増やすこと。
四、引き続き、障害児教育の就学奨励費制度を残すこと。高等部専攻科職業教育のための就学奨励費制度を拡充させること。
五、障害児教育改革は、必要で十分な時間を掛けて行うこと。特別支援教育の論議においては、高等部教育・職業教育の現場の関係者を加えて十分な議論をすること。

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