請願

 

第164回国会 請願の要旨

新件番号 176 件名 安全で行き届いた医療・介護の保障に関する請願
要旨  高齢社会を迎え、医療・介護・社会保障の充実は、国民と医療・介護労働者の切実な願いである。しかし、入院日数の短縮や医療・介護内容の高度化などによって、現場はかつてない大変な労働実態になっている。特に看護職は疲れ果てており、三人に二人が辞めたいと思っているほどである。人手不足の下で、医療事故の続発に象徴されるように、患者・利用者の命と安全も脅かされている。命と安全を守る仕事でありながら、医療・介護労働者の賃金は、他の産業に働く労働者より更に低くなっている。社会保障費の伸びを抑制しようと、食費や室料や風邪薬などの保険外しやいわゆる混合診療の解禁など、公的保険の範囲を縮小しようという動きが強まっている。患者・国民の負担は既に限界に達しており、これ以上の負担増は許されない。欧米諸国に比べ、日本の社会保障への国の負担は低くなっている。社会保障に対する国庫負担割合を引き上げ、すべての国民に安全で行き届いた医療・介護を保障することこそ必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、安全で行き届いた医療・介護を保障するため、配置基準を引き上げ、医師・看護師など医療・介護労働者を大幅に増やすこと。
二、命と安全を守る医療・介護労働者の専門性と仕事内容を正当に評価し、他産業労働者より低い賃金実態を改善すること。
三、患者・利用者の命と安全を守るため、必要な安全対策のコストを保障すること。
四、食費や部屋代の自己負担化やいわゆる混合診療の解禁など、患者・国民負担を引き上げず、公的保険ですべての国民に必要な医療・介護を保障すること。
五、在宅や介護・福祉施設の基盤整備を進め、病院追い出しや特養待機者をなくすとともに、だれもが必要な医療・介護を受けられる体制を確保すること。

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