請願

 

第164回国会 請願の内閣処理経過

件名 北方領土返還促進に関する請願
新件番号 1352 所管省庁 外務省 内閣処理経過受領年月日 H18.11.8
処理要領  択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の北方四島は、歴史的にも法的にも我が国固有の領土であり、その返還は我が国国民の総意であるにもかかわらず、戦後六十年以上を経た今日、これら諸島がなおロシアの不法占拠下に置かれていることは誠に遺憾である。
 平成十五年一月の小泉総理の訪露の際の日露首脳会談において、両首脳は、「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を可能な限り早期に締結し、もって両国間の関係を完全に正常化すべきであるとの決意」を確認し、平和条約交渉に資するものとして「日露行動計画」を採択した。同行動計画の中では、一九五六年日ソ共同宣言、一九九三年東京宣言、二〇〇一年イルクーツク声明及びその他の諸合意が今後の交渉の基礎となるものとして挙げられており、交渉を加速することとされている。
 平成十七年十一月のプーチン大統領訪日の際の日露首脳会談において、両首脳は、北方領土問題について、日露間に意見の相違があるが、これまでの両国間の諸合意及び諸文書に基づき、日露両国が共に受け入れられる解決策を見出す努力を行うことで一致した。また、平成十八年七月のサンクトペテルブルク・サミットの際の日露首脳会談において、小泉総理より、これまでの諸合意及び諸文書に基づき、四島の帰属の問題を解決し、平和条約を早期に締結するため、引き続き真剣な努力を継続することが両国政府の責務であり、交渉を活発化させるため、両国外務大臣他に指示を出そうと述べたのに対し、プーチン大統領は、自分も領土問題を解決して平和条約を結びたいと考えている、自分からも協議を活性化させるよう担当者に指示する旨述べた。政府としては、このような両首脳間のやり取りも踏まえ、国民の広範な支持を得ながら、我が国固有の領土である四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針に従い、引き続き、ロシア側との間で粘り強く交渉を進めていく考えである。
 平成十八年八月十六日、北方四島周辺水域においてロシア警備艇による日本漁船に対する銃撃・拿捕事件が発生したが、北方領土問題が解決していれば、このような事件は起こらなかったと考えられる。政府としては、北方領土問題の解決に全力を尽くしていく考えである。
 北方領土問題解決のための環境整備として、四島交流、自由訪問、北方墓参、北方四島住民支援や北方四島周辺水域操業枠組協定に基づく日本漁船の操業といった枠組みは重要な意義を有している。日本国民と北方四島在住ロシア国民との間の四島交流においては、平成十七年までに延べ約一万三千名が相互に交流しており、四島住民と我が国国民の間の相互理解を促進する上で大きな成果をあげてきている。また、平成十八年七月の日露首脳会談において、両首脳は、環境整備を進める観点から、北方四島を含む隣接地域において、日露両国が共同で地震・津波対策等、防災分野で協力することについて協議していくことで一致するとともに、四島交流、自由訪問及び北方墓参について、高齢化する元島民の負担軽減の観点から、引き続き改善していくことで一致した。このようなやり取りも踏まえ、政府としては、平和条約締結交渉に資する環境整備として北方四島をめぐる協力を積極的に推進していく考えである。

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