請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 1636 件名 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願
要旨  障害のある人々の地域での暮らしを支えている小規模作業所が、全国に約六、〇〇〇か所あり、九万人余の人が働き、様々な活動をしている。小規模作業所が誕生して三五年余が経過した。二〇〇四年、障害者基本法が改正され、第一五条第三項に「国及び地方公共団体は、障害者の地域における作業活動の場及び障害者の職業訓練のための施設の拡充を図るため、これに必要な費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。」と、小規模作業所の存在意義と行政の責任が明確に位置付けられた。しかし、小規模作業所に対する補助金は二年連続で一割削減され、小規模通所授産施設運営費も削られた。また、障害のある人が地域で安心して暮らしていくための施設制度や設置数は有効値とは程遠い状況に置かれている。これらを根本的に解決していくためには、ようやく手が付けられた関連法制度の改正が、障害のある人のニーズに見合う内容で完成し、国の責任において十分な予算的な裏付けが図られなければならない。どのような障害があっても「地域で当たり前に暮らしたい」「一人暮らしができる給料と所得保障を」というのは極めて人間的なニーズであり、こうした願いが確実に実現できる地域をつくっていくことが、だれもが安心して暮らせる社会につながっていく。小規模作業所は、地域に根を張り、障害のある人たちの願いにこたえた、多様な支援を担う掛け替えのない社会資源である。小規模作業所問題は、障害者政策の中でも優先課題の一つに位置付けられるべきである。
 ついては、次の措置を速やかに採られたい。

一、小規模作業所並びに小規模通所授産施設制度と一般通所授産施設制度との格差をなくし、就労や福祉施設の体系見直しに位置付けること。当面、小規模作業所に対する国庫補助制度については、補助額、交付方法などを見直し、更なる拡充を図ること。
二、授産施設やグループホーム、精神障害者の社会復帰施設など障害のある人々が地域で暮らすための社会資源を大幅に増やすこと。また、障害の重い人の本格的な通所型施設制度を創設すること。
三、障害のある人々が地域で安心して暮らすために、ケアマネジメントやホームヘルプなどの人的な支援制度を拡充し、加えて本格的な所得保障制度を確立すること。

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