請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 1070 件名 私立専修学校の教育・研究条件の改善と父母負担軽減に関する請願
要旨  私立専修・各種学校の在学者は、八六万人を超えている。これは、短期大学在学者二四万人の三・五倍となっている。また、専門学校(専門課程)においては、専門士の創設や一九九二年度から大学・短期大学との単位互換が認められ、さらに卒業生の大学への編入学が一九九九年四月に実施され、毎年一、七〇〇人が大学編入している。また、大学・短大とのダブルスクール生徒数が約三万五千人、大学・短大卒業しての再入学者が約三万人と高卒者の進路として大学に次ぐものとなり、専門学校が高等教育機関として重要な役割を果たしている。加えて、生涯学習社会において、専門的な職業技術教育分野の中核となっている。高等専修学校(高等課程)においては、高等学校と並び後期中等教育の中で技能教育と一般教育の両立を目指す重要な役割を担うとともに、高等学校との技能連携の中で、高卒資格を得る生徒も多くいる。このように私立専修学校は、大学・短期大学・高等学校等と何ら遜色(そんしょく)のない公的教育機関として社会に位置付けられ、その必要性が認められている。しかし、大学・短期大学・高等学校に比べ、公的助成が大きく立ち後れているため、私立専修学校で学ぶ生徒・父母・教職員の願いである「一人一人に行き届いた教育を保障できる教育・研究条件の充実と父母の負担軽減」には程遠い状況になっている。現在、生徒数の減少は、ますます私立専修学校の経営を圧迫し、教育・研究条件・教育環境共に低下している。さらに毎年六〇校もの私立専修学校が廃止となっており、生徒・父母に大きな混乱と不安を招いている。生徒、父母、教職員の願いを保障していくために、私立専修学校の設置基準の引上げ・遵守の指導と助成金の増額が急務となっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、私立専修学校にも私立短期大学、私立高校と同じように経常的経費への助成のための法改正を実現すること。 
二、保健室・図書室など、行き届いた教育環境がどの私立専修学校でも提供されるように、「専修学校設置基準」(特に第五章、施設及び設備等)の改善をすること。
三、実態として大規模学校中心の補助となっている「専修学校大型教育装置整備費補助」について、大型教育整備に限った補助ではなく、保健施設整備・水飲み設備・図書室整備など、より多くの専修学校の生徒・学生の教育環境を整える施設充実のためにも整備補助対象を拡大適用すること。
四、父母負担の軽減を図るため、授業料直接補助を実現すること。なお、私立高等学校で適用されている授業料減免事業特別経費を継続し、適用対象を私立専修学校生にも拡大すること。
五、日本学生支援機構奨学金の貸与制度を改善して、第一種奨学金無利息枠を拡大し、その貸与月額も増額すること。また、有利子奨学金の利息についても更に低額に抑えること。
六、三年制以外の高等課程にも、通学定期割引率を高等学校と同率にすること。

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