請願

 

第161回国会 請願の要旨

新件番号 319 件名 成人重国籍の容認に関する請願
要旨  世界的なグローバル化で外国生活する人が増えている。永住には居住国の市民権を保証する国籍が必要になるが、母国にも家族があれば母国籍を放棄することもできない。海外で外国国籍を取得する自国民の重国籍を容認し、国内の長期永住者や国民の配偶者が届け出れば、現在の国籍の放棄を求めることなく国籍取得を認める国も増えている。日本は成人重国籍を制限し、海外国民や国内住民の市民生活、経済活動、国家間往来の自由を阻んでいる。日本の経済発展や社会の安定のためにも、日本と深い絆(きずな)を持つ人が問題なく日本の国籍を維持・取得し、地域社会や国際社会に貢献できるよう、母国籍放棄を求めず、帰化を緩和し、一般人の重国籍を容認することを求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、成人重国籍を容認すること。

   理由
 海外移住・定住には、永住権で認められる住民権では市民生活に不十分な場合が多く、外国籍では信用を得て地域社会に貢献することも困難である。職業や営業権、住民活動、不動産売買、入居条件、保険・年金制度に国籍制限があるなど、家族の将来のためにも、居住国の国籍が必要不可欠になってくる。一方、海外永住者には母国にも家族や不動産などがあり、長期帰国の必要や永住帰国の可能性もある。日本国籍を喪失すれば日本旅券では不法入国となり、外国旅券では住民票も作れず、住民生活は困難である。三か月以上の長期滞在には外国人登録が必要で、登録証か旅券の携帯・提示義務を課される。外国国籍を取得する人は、現行法で日本国籍を維持することはできない。出生や婚姻により重国籍になった人も、一定期間内に国籍選択が義務付けられ、国籍放棄の努力を要求される。外国に帰化した日本人が日本への永住帰国を望んでも、無条件に日本国籍を復活することはできない。母親が外国人の婚外子は、出生後に日本人の父親が認知しても日本国籍が取得できない。日本で生まれた外国人の捨て子も日本国籍が与えられないため、現行法では無国籍者の発生さえ防げない。一般に帰化の条件が厳しく、現国籍放棄や放棄の努力を要求される。多くの欧米先進諸国が国益や人道の面から重国籍を容認している。日本の国籍法は人道主義に反し、多くの矛盾を生じ、事実上機能していない。

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