請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 4073 件名 中海の汽水環境の復元に関する請願
要旨  大根島及び江島の北側にあり、外海への玄関口に当たる約一、七〇〇ヘクタールもの本庄水域は、干陸及び淡水化堤防で締め切られるまでは三つの機能を持っていた。宍道湖と日本海を行き来する数多くの生き物の通り道としての機能、魚の産卵とその成長をはぐくむ揺りかごとしての機能、洪水調節としての遊水域の機能である。生き物の往来する通り道が塞(ふさ)がれ、揺りかごが壊されて久しい中海は、このままではよみがえることはあり得ない。サロマ湖に次ぐ汽水湖群、宍道湖・中海がかつての汽水環境を再生できるか否か、そのかぎは堤防を開削するか否かにある。中海では遊泳禁止措置が採られておよそ半世紀になる。泳げる中海が実現すれば、漁業、観光、スポーツ(ボート、ヨット、遠泳)、釣りなどが復活し豊かな地域となる。本庄水域干陸及び淡水化事業が中止となった今、汽水環境の回復を目指す施策を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、森山堤防・大海崎堤防を早期に開削し、左回りの湖流を復元すること。
二、浚渫(しゅんせつ)窪地(くぼち)を埋め戻し、無酸素水塊を解消すること。
三、浅場・遠浅・自然に近い渚(なぎさ)等を復元し、多様な生態系を回復すること。
四、中浦水門を撤去する前にこれを利用し、(財)汽水湖研究所及び農水省が実施した環境修復策の効果予測を検証すること。
五、これら一~四の事業を策定し実施するために自然再生推進法を適用すること。

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