請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 3233 件名 育児介護休業法の趣旨にのっとった深夜業の免除措置に関する請願
要旨  育児や家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活の両立支援として、「育児介護休業法」が制定された。平成一一年には深夜業免除措置が導入され、航空界でも多くの客室乗務員がこの制度を活用し就労してきた。特に日本航空では、国際線乗務で一〇日以上も日本を離れることもあり、またスケジュール変更が日常的に発生することから、これまで深夜に面倒を見てくれる同居家族がいない場合、育児介護と仕事の両立は大変困難な状況であった。深夜業免除措置が導入されたことにより、乗務に復帰できる者も増えてきた。しかし、日本航空は昨年の八月より、深夜業免除を申請した者に対し、月間二〇日間の勤務日のうち、数日しか勤務をさせず、残りの日を深夜業免除日として仕事を与えず無給扱いにし、基本賃金も含め日割りで賃金カットした。その結果、月間の勤務日数は多い者でも半分程度である。少ない者は、月間一日しか勤務指示されず、一九日分が賃金カットされるため、社会保険料や税金が引かれると赤字となり、毎月三万円程度の持ち出しになるという事態が起こっている。厚生労働省も「このような事態は想定していなかった。日本航空の制度を認めたわけではない」としながらも「育児介護休業法には明文がないので指導は困難。労使で話合いを」との見解にとどまっている。法の趣旨は、深夜業免除により、仕事と家庭生活の両立を支援し、少子化に歯止めを掛けるものであった。このままでは、出産後復帰を目指す者が減るばかりでなく、出産さえ控える者が増えるのは明らかである。また、八月以降退職を余儀なくされた乗務員もおり、少子化対策に逆行するばかりか、育児介護を抱える者に対するリストラ策にもなっている。このような対応が容認されれば、航空界にとどまらず、全産業的に育児介護を担う者へのリストラ策にもなりかねない。
 ついては、育児介護休業法の趣旨に反する対応を改めさせるため、次の事項について実現を図られたい。

一、深夜業免除日に勤務を指示し、無給扱いさせないため、育児介護休業法の整備を行うこと。(「深夜業免除は認めるが、仕事を与えず無給としている事例があるが、深夜業免除者は通常業務として日勤の業務に就かせるよう、育児介護休業法の整備を行うこと」という趣旨)
二、不規則勤務者に対する職業生活と家庭生活の両立支援策の更なる改善策を講じること。

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