請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 1849 件名 独立行政法人産業技術総合研究所の公的研究の継続と運営費交付金等の充実に関する請願
要旨  独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)の非公務員型独立行政法人への移行方針が決定された。しかし、「全体の奉仕者」として安心して職務に専念し、困難な基礎的・基盤的研究や中期的研究を推進し、個別企業の利益に縛られない公害や環境研究、標準の供給や地質調査など公的な研究、さらには国を代表して国際共同研究を行うとともに、産官学連携を公共的、中立的立場から円滑に進めるためにも、公務員身分の確保は不可欠である。非公務員型では、任期付雇用の繰り返しなどによる雇用の不安定化や産業化へ向けたプロジェクトなどの短期的研究を優先する体制につながりかねない。また、採用や兼業、再就職、共同研究について、公的な機関としての中立性、公平性が確保されなくなる危険性がある。非公務員型への移行方針は、政府の進める公務の減量化・効率化の一環として、他の独立行政法人や行政組織にも少なくない影響を与える。中央省庁等改革基本法は「職員の身分等を決定するに当たっては、これまで維持されてきた良好な労働関係に配慮するものとする。」としているが、産総研常勤職員の過半数が非公務員型への移行に反対している。職員の総意を尊重することが必要である。独立行政法人運営費交付金の削減率を高める動きが強まっている。産総研の一六年度の運営費交付金についても、一時的な資金を除いて約一一億円(一・六%)の減少となっている。科学技術研究の発展に対する役割の増大や国民的な期待にこたえるためにも、運営費交付金等を充実し、自律的運営を保障すべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、独立行政法人産業技術総合研究所の公的な性格を堅持し、困難な基礎的・基盤的研究、公害や環境研究、標準の供給や地質調査など公的な研究を推進し、国際共同研究、産官学連携を公共的、中立的立場から円滑に進めること。
二、独立行政法人産業技術総合研究所の第二期中期目標の策定に当たって、当該法人の意向を尊重すること。また、科学技術研究に求められる役割と期待の増大に対応し、運営費交付金等の充実に努め、法人の自律的運営を保障すること。

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