請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 1311 件名 臓器移植の普及に関する請願
要旨  「臓器の移植に関する法律」が施行され六年、脳死からの提供は年間一○例以下であり、心停止後の腎臓(じんぞう)移植も、二○○二年は一二四例と一九八○年代後半の四割に減少している。臓器移植は、国の施策として行うべきものでありながら、意思表示カードの普及は一○%にも達しておらず、提供施設での確認もほとんど行われていない。また腎臓移植など一部を除き健康保険の対象となっていないため、国内で移植を受けるにもかかわらず多額の費用を必要としている。国は健康保険カードや運転免許証に意思表示欄を設けるなど、臓器提供に関する意思を一○○%いかすシステムを早急に構築するとともに、国民全般に広く移植医療の普及啓発を行うよう求める。また患者のだれもが安心して移植を受け、十分な術後医療を享受できるよう、健康保険などの制度を整備するよう求める。現行法では、一五歳未満の提供ができないために、心臓移植を必要とする小さな子供たちは、延命の機会を求め危険を冒し、膨大な費用を掛け海外に渡っている。しかし、そのような機会を得られる子供は極めて少なく、多くの幼い命が失われている。医療先進国である日本が、国民の救命を海外に頼ることは、海外からも問題視されている。このことは、成立当初から問題となっていながら、法附則にある三年目の見直し時期である平成一二年一○月が過ぎているにもかかわらず、国会において議論さえ行われていない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、臓器提供者の意思を一○○%いかし、移植医療が我が国に定着するようなシステムの早急な構築と国民全般への移植医療の普及啓発を積極的に行うこと。
二、だれもが安心して臓器移植が受けられるよう制度を整備すること。
三、小さな子供たちも日本国内で臓器移植が受けられるよう「臓器の移植に関する法律」を改正し、一五歳未満の臓器提供を可能にすること。

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