請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 219 件名 原子力発電等に関する請願
要旨  エネルギー資源の乏しい我が国にとって、国民生活の維持向上と社会経済の発展に必要な電力を確保することは、極めて重要な課題となっている。国においては、各種エネルギー資源の開発について対策が講じられているが、原子力発電に関する施策は必ずしも十分とは言えない。また、過去に発生した高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故や株式会社ジェー・シー・オーの臨界事故、MOX燃料に係る検査データの不正問題等は、原子力政策の在り方に対する国民の信頼を根本から損なっている。このような中、平成十四年に発覚した自主点検作業記録等の記載に係る不正問題及び格納容器漏えい率検査における偽装工作は、原子力発電所等の安全性を信じざるを得ない立地地域の住民の気持ちを踏みにじるものであり、原子力行政の体質、体制を問われ、原子力発電所等の安全性はもとより、国の安全規制に対する国民の不安感、不信感はいまだ回復には至っていない。また、昨年一月には「もんじゅ」に係る行政訴訟の控訴審判決において、原子炉設置許可を無効とする判決が出されたことから、国民の間には、大きな動揺、不安が広がっている。さらに、国が進める核燃料サイクルに対しても、国民の理解、コンセンサスが十分得られているとは言えない。このため、国においては、原子力政策に対する一層の国民の合意形成を図るとともに、原子力発電施設等の安全性の確保と防災対策の確立、原子力発電に関する国民の理解と協力を得るための分かりやすい広報の徹底、さらには、電源地域の振興を図るための総合的な施策の確立など、その充実強化が強く求められている。
 ついては、原子力発電に関する現状にかんがみ、次の措置を速やかに採られたい。

一、原子力発電施設等(核燃料サイクル施設を含む。)の安全対策及び防災対策並びに周辺環境整備に係る予算枠の拡大を図ること。
   エネルギー資源の乏しい我が国は、エネルギーの安定供給、経済性及び地球環境保全等の面から今後とも原子力発電に依存せざるを得ない状況にあり、さらに原子力発電施設等の安全対策及び防災対策並びに周辺環境整備の充実強化を図るため、国の関係予算枠を拡大すること。

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