請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 3330 件名 成人ADHDに関する請願
要旨  ADHD(注意欠陥多動性障害)はアメリカ精神医学会の診断統計マニュアルにも明記されている疾病であり、成人にも深刻な諸症状をもたらしているにもかかわらず、我が国では子供の病気とみなす誤解がまん延しており、診断・治療に当たる医師は極めて少ない。早急に成人ADHDの医療体制を確立するとともに、諸症状に起因する様々な障害について調査研究し、患者の人権が守られる対策を打つ必要がある。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。(資料添付)

一、精神科医、神経科医に正しい成人ADHDの知識、診断方法及び治療方法を周知し、成人ADHDの医療体制を早急に確立すること。
二、現在、厚生労働省の認可薬の中には成人ADHDへの適応が認められたものがなく、数少ない専門医は自ら全責任を負って適応外の薬で治療を行っている。このような状態では成人ADHDを診断しようとする医師の増加は見込めない。治療に有効な薬の成人ADHDへの適応拡大を行うこと。
三、ADHDの主な症状に不注意と衝動性があり、これらは交通事故、労働災害、家庭内の事故等の危険性を高め、死と隣り合わせの状況である。また、ADHDは前頭葉の機能が低いため、仕事に手が付きにくく、先延ばしをする傾向が見られる。このことから仕事をため込んで、健常者では難なくこなせる仕事量で過労の状態に陥る危険性が高いと推測される。こうした危険性についての統計的調査を実施し、その結果に基づいて、ADHD患者の直面する危険に対する早急な対策を実施すること。
四、ADHD患者の雇用を守ること。

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