請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 2919 件名 京都第二外環状道路北部分(B区間)の建設中止に関する請願
要旨  京都第二外環状道路北部分(B区間)の完成後の交通量は、平均一日二一、〇〇〇台程度と予測されているが、昨今の経済情勢や交通量の推移からも、この台数は今後大きく増大するとは考えられない。この程度の交通量なら一般道路等によってさばくことが十分に可能であり、莫大(ばくだい)な経費を投じて建設する必要性はない。京都第二外環状道路北部分(B区間)の建設には、わずか一〇キロ余の区間におよそ五千億円程度の費用が掛かるものと予測される。高規格幹線道路の建設費償還期限は五〇年間とされているが、この道路に関しては実現される見込みはない。残される莫大な赤字は、国民の負債として将来に禍根を残すことになる。京都第二外環状道路北部分(B区間)は、大山崎町大山崎中学校を貫通分断し、長岡京市長岡第四中学校の校舎真横を通過するなど、地域の教育環境を大きく破壊する。また、通過予定地には住宅密集地も多く、甚だしい住環境の破壊が予想される。さらに、通過地域の豊富な地下水脈を切断し、里山の自然環境を破壊して、存在が確認されている数種類の希少動植物を絶滅させる可能性がある。また、京都市西京区大原野では、大原野神社と花の寺・勝持寺の区域を貫通して、全国の人々に長く愛されてきた貴重な歴史的景観を永久に破壊する。「都市再生プロジェクト」の名の下に莫大な経費を投じて行われる、このような都市環境の破壊は中止すべきである。京都第二外環状道路の南部分(A区間)は名神高速道路のバイパスとしての機能を有する道路で、間もなく開通が予定されている。しかし、北部分(B区間)は、道路の性格も機能も南部分(A区間)とは全く異なるもので、まだ予備設計すらできていない。北部分(B区間)の建設を中止しても、南部分(A区間)はその機能を十分に果たすことができる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、高規格幹線道路・京都第二外環状道路北部分(B区間)の建設の凍結と計画の再検討を行うこと。

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