請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 2484 件名 海洋環境の保全、防災に優れた社会資本の整備、国民本位の港湾・空港行政に関する請願
要旨  阪神・淡路大震災の教訓も踏まえ、港湾が住民に親しまれ、使いやすく、安全・防災・耐震性を強化した総合的な施策を追求していくことが緊急かつ重要な課題となっている。近年、港湾や空港を含めた公共事業をめぐって、国と地方自治体の財政悪化や連続して発生する不正・汚職事件、自然環境の破壊などを背景に無駄な公共事業などの指摘が国民から巻き起こっている。こうした声に真摯(しんし)にこたえ、天下りの禁止、政・官・財(業)の癒着構造の解消、計画段階からの情報公開と住民参加の推進、内部告発者保護などの施策を推進することが求められている。環境の保全・船舶航行の安全確保という面から日常的な海面浮遊ごみの回収が必要であり、加えて、油流出事故が起これば大気や水質の環境汚染を始め人体や漁業、沿岸経済への影響など計り知れないものがある。したがって、海域の条件に沿った機動性や回収能力の優れた船舶や機材の開発・配備、油防除体制の強化、海洋環境整備事業の充実が求められ、最前線で事業を行う船舶乗組員にあっては、専門的な知識と熟練した能力が必要とされることから、職員による実施が作業効率の面からも求められる。港湾・空港の整備に携わる国土交通省の職場では、政府方針に基づき外部委託が導入されているが、実態は派遣労働であり、費用は労働者一人当たり一、四○○万円(年間二四○日に換算)を超えている。これは国家公務員の年収をはるかに上回っており、国の財政再建という方針にも逆行する。外部委託は工事の施工管理を中心に行われており、新たな不正・癒着の発生なども危惧(きぐ)され、良質な社会資本の整備という行政責任の在り方からも、重大な問題を持つものである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、港湾・空港施設の計画・建設に当たっては、国民・地域住民の意見が十分に反映されるとともに、防災や環境・地域の文化に配慮し、まちづくりと一体で行う施策を充実すること。
二、海洋環境整備事業の実施体制を拡充すること。
三、工事の施工管理などについて、財政再建に逆行する業務委託を中止すること。

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