請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 1367 件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
要旨  日本透析医学会の調査では(二〇〇一年末)、我が国の透析患者の総数は二一九、一八三人となり、同年一年間に透析を始めた患者は三三、二四三人(死亡患者一九、八五〇人)であった。透析患者は毎年約一万人ずつ増加し続けている。約二二万人の患者のうち、一〇年以上透析を続けている患者は五〇、三四五人おり、高いQOLの下で社会生活に参加している。一方、高齢化は透析患者にも反映し六五歳以上の患者は四〇%を超え、長期透析による骨関節障害、貧血などの合併症で苦しむ患者も増えている。さらに近年の特徴として腎(じん)症、網膜症、神経症などを合併しやすい糖尿病を原疾患とする透析患者が急増し、年間透析導入患者の一位になっている。この実態から、介護を必要とする患者、長期入院を必要とする患者、重複障害に苦しむ患者が引き続き増えている。二〇〇〇年四月から介護保険制度がスタートしたが、週二、三回の透析のための通院介助、透析医療も可能な介護施設など透析患者の強い介護要求は実現されていない。
 ついては、腎疾患分野における保健・医療・福祉の総合化、すなわち腎疾患総合対策を早急に確立されるよう、次の事項について実現を図られたい。

一、年齢、障害の種類、程度を問わず、必要なすべての人に介護が保障される制度を確立すること。
二、透析患者の重症化、障害の重複化に伴う要介護透析患者の急増に対応する医療・福祉両面における在宅サービス、施設サービスを早急に拡充すること。
三、通院の困難な在宅の透析患者のために、ホームヘルパーの増員、移送支援など通院介護保障体制を確立すること。
四、糖尿病性腎症の予防対策と腎不全・透析に移行しないための啓発活動を強化すること。
五、看護師、ホームヘルパーなどの医療・福祉従事者不足を早急に解消し、大幅な増員対策を具体的に講ずること。
六、臓器移植の推進普及のため、都道府県所属のコーディネーターの増員と身分保障を確立すること。

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