請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 864 件名 児童保護に名を借りた創作物の規制反対に関する請願
要旨  次の事項について実現を図られたい。

一、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の見直しに際し、実在の児童を被写体としない漫画、アニメ、ゲームを始めとする創作物を規制の対象にしないこと。
二、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の見直しに際し、児童ポルノの単純所持を刑事罰の対象としないこと。

   理由
 (一)実在の児童を被写体としない創作的な性表現について、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律による取締りの対象とすることは、表現の自由と対峙(たいじ)されるべき具体的人権が存在しないにもかかわらず、表現の自由を制約することになり、憲法第二一条の保障する表現の自由の理念にかんがみて問題がある。(二)児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は、児童を「一八歳未満の者」として定義しているが、年齢の存在しない絵について規制する場合、「未成年に見える」という主観的かつあいまいな基準により表現を規制することになり、罪刑法定主義、刑罰法規の明確性の観点から問題がある。(三)たとえ実在の児童を被写体とするものであっても、児童ポルノを単純に所持しているだけでは、児童に対する人権侵害の危険性は抽象的なものにすぎない。これを銃砲刀剣類や覚せい剤などと同様の禁制品として扱うべきではない。また、単純所持を処罰の対象とすることは、別件逮捕など違法捜査の口実とされ、市民のプライバシーに対する公権力の過度な介入を招く危険性が高い。

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