請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 653 件名 金融アセスメント法の法制化に関する請願
要旨  提案する「地域と中小企業の金融環境を活性化させる法律」(金融アセスメント法)は、地域と中小企業への円滑な資金需給や不公平な取引慣行(物的担保優先、連帯保証など)の是正などを軸として金融機関の自主的な取組を事後的に評価し、収益本位に流れがちな金融機関の資金配分を地域経済や中小企業に向けさせる仕組みの法律である。この法律は、主に次の実現を目指す。(一)物的担保優先や連帯保証による融資の割合を減らし、中小企業の潜在能力や事業性を重視する融資を拡大する、(二)貸手と借り手の公正な取引関係を目指す、(三)融資姿勢の情報を公開し、地域と中小企業との共存共栄を図る金融機関を利用者が支援し、育てること。この制度のモデルはアメリカの地域再投資法(CRA)であるが、早くから金融自由化が進められたアメリカにおいて地域経済を守り、活性化させる役割を担う法律として高く評価されている。また、今日の金融環境は貸渋り問題の再燃を懸念させている。政府は不良債権の最終処理を実施するが、連鎖的な倒産の波及や失業者の激増など経済の混乱と新たな不良債権の増大を招く危険がある。金融検査マニュアルは、中小企業の実状に合わず、貸出抑制を招いている。ペイオフ解禁は預金者の不安をあおり、特定の金融機関に預金が集中し、地域金融機関の資金不足をますます加速する懸念が高まっている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、地域と中小企業への円滑な資金供給で努力する金融機関を正しく評価する「地域と中小企業の金融環境を活性化させる法律」(金融アセスメント法)を法制化すること。
二、不良債権の最終処理は、中小企業への影響を最小限とすること。
三、金融検査マニュアルの適用に際して金融庁は、中小企業の実状に沿った別の基準のマニュアルを作成、適用すること。
四、ペイオフの決済性預金の解禁は、地域金融機関の預金を更に流出させ、中小企業への資金パイプを狭めることが懸念されるので、全面解禁は延期し、中小企業金融の円滑化に十分配慮した対策を講ずること。

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