請願

 

第156回国会 請願の要旨

新件番号 402 件名 豊かな私学教育の実現を求める私学助成に関する請願
要旨  私学振興は国の重要な責務であり、私学助成の充実・改善は重点的に取り組むべき施策である。私立高校に進学する生徒は、全国で一二○万人(全高校生の約三割)に達しており、公教育を担う私立高校に対する国の助成は極めて重要である。しかし、公私の三年間の学費を比較すると私学は公立の約四倍となっており、公私格差の是正・保護者負担の軽減は、切実な願いである。教育条件において、公立高校では一九九三年度より四○人学級が実施されているにもかかわらず、私立高校においていまだ四○人学級の実施が不十分なところも見られる。豊かな私学教育が保障されるためにも、四○人学級を完全実施させ、一歩進めて三○人以下学級を実現させなければならない。また、公立の標準定数法に基づく教員の定数に比べて私立高校の教員数は、全国平均で約二五%下回っている。さらに、教員構成においても講師が多く、専任教員の増員が求められている。また、少子化の中で、子育て支援と幼児教育の重要さからも、幼稚園の二○人以下学級を実現させていかなければならない。一方、専修学校専門課程(専門学校)に対する国の経常費助成は、現在行われていない。多様な進路の保障、公平な国費の配分の上からも経常費助成の新設が望まれている。また、私立大学の教育研究の充実は、日本が高度な教育研究体制を確立して、国際社会に貢献する上で極めて重要である。私立大学にあっては学生一人当たり国の教育費負担は九分の一であることを見ても国の助成拡充は優先的に講じなければならない施策である。
 ついては、豊かな私学教育の実現のため、次の措置を採られたい。

一、私立学校の保護者負担を軽減するとともに教育条件改善のため私学助成を拡充すること。
 1 私立高等学校の教育条件の維持向上と学費負担の軽減に資するため私立高等学校等経常費助成費補助の改善充実の措置を講ずること。
 2 私立高等学校の教育条件の維持向上を図り、公私間格差の是正のための次の事項の補助を拡充すること。
  (一)きめ細かな学習指導を可能にする少人数授業編成推進のための補助
  (二)専任教諭の配置率向上など標準的な教職員数を確保するための補助
 3 私立学校の教育施設設備整備のための特別助成措置を講ずること。
 4 過疎地域の私立高校に対する特別助成の継続と拡充を図ること。
 5 保護者の家計急変に伴う授業料減免事業臨時特別経費補助を、当面の間継続すること。
 6 私立大学の教育研究のより一層の充実と学費負担の軽減に資するため、私学振興助成法の趣旨に基づき、その経常的経費の二分の一補助達成を目指して、経常的経費補助の拡充を図ること。
 7 私立幼稚園におけるティーム保育導入を始めとする、少人数保育の促進のための補助の拡充を図ること。
 8 私立専修学校教育の振興を図るため、情報処理関係設備及び教育装置整備費補助の拡充を図ること。

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