請願

 

第155回国会 請願の要旨

新件番号 633 件名 義務教育諸学校の学校事務職員・栄養職員に対する義務教育費国庫負担制度の維持に関する請願
要旨 一、義務教育諸学校の学校事務職員・栄養職員の給与費の国庫負担制度を維持し、定数改善を図ること。

   理由
 義務教育諸学校への学校事務職員の配置は、地方財政力の格差による給与遅配などの紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、一九五三年の義務教育費国庫負担法の施行により学校運営に必要な制度として確立し、今日に至っている。学校栄養職員についても、一九七四年より同様に義務教育費国庫負担の対象職員となった。大蔵省(当時)は、一九八五年度の予算編成に当たり、義務教育費国庫負担制度を抜本的に見直す方針を明らかにした。その中に、学校事務職員・栄養職員の人件費を全面的に削減する項目があり、以降予算編成のたびにその扱いが問題になった。しかし、地方自治体の財政負担の増大に対する懸念、学校教育にもたらす影響の大きさから、地方議会・団体、教育界から広範な反対の声が沸き起こり、見送られてきた。現在でも財務省は「直接教育に携わらない職員については国庫負担になじまない」との見解を繰り返している。学校教育が教員のみならず、多様な職種の協力・協働をまって初めてその目的を達することは言うまでもない。教壇に立つ立たないで分け隔てしようとする財務省の姿勢は容認できない。また、昨年来、経済財政諮問会議、地方分権改革推進会議で学校事務職員・栄養職員の必置規制見直しが議論されている。学校現場の実態を十分に踏まえた上でのものとは到底言えず、財政支出削減の観点ばかりが先行していると言わざるを得ない。義務教育費国庫負担法から学校事務職員・栄養職員が外された場合、定数配置、労働条件等が自治体財政の差異により左右される不安定な状態に陥る。事務職員・栄養職員のいない学校が増え、子供たちの学習環境に著しい格差が生じるのは必至である。今日、学校の自主性・自律性が叫ばれ、学校事務職員・栄養職員の果たすべき役割はますます大きなものになり、その制度の充実取り分け定数改善が切実に求められている。

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