請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 4360 件名 網膜芽細胞腫の母子手帳への記載の改善、義眼費用の全額助成等に関する請願
要旨  網膜芽細胞腫(しゅ)は、一万五千人に一人の割合で性別・人種・地域に関係なく発症する小児の病気である。症状としては白色瞳孔と斜視が挙げられるが、母子手帳では枠外に記載されているのみでほとんど周知されておらず、保健所の乳児検診等において見過ごされることもある。治療法には眼球摘出と眼球保存療法があるが、眼球を摘出した場合には義眼を装着することになる。義眼は保険が適用されるものの、厚生労働省が規定した適正価格(五万六千三十二円)の七割が健康保険から助成されるだけであり、小児慢性特定疾患や育成医療として助成を行っている自治体もあるが、多くは助成を行っていない。しかも、義眼は平均価格が約十万円と高額であるため、適正価格の七割が助成されたとしても義眼平均価格の半分にも満たない。身体障害者手帳の所持者は助成の対象とされているが、網膜芽細胞腫であっても片眼性の場合や視力が良い場合には障害者手帳は交付されない。また、厚生労働省では義眼の耐用年数を二年としているが、小児は成長が著しいことから、頻繁に取り替える必要も生じている。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、早期発見について
 1 保健所、小児科、眼科等において、網膜芽細胞腫のより一層の理解を図るとともに、症状のある小児は速やかに眼底検査を受診するよう、母子手帳の本文に記載すること。
 2 保健所等での乳児検診において、症状に注意するとともに、少しでもその疑いのある小児に対しては眼底検査を勧めることを徹底すること。
 3 母子手帳には、枠外ではなく、本文に網膜芽細胞腫の注意点を記載すること。
二、義眼の保険適用について
 1 義眼の装着は治療の一部であることから、義眼費用を全国一律に小児慢性特定疾患から助成すること。
 2 義眼の適正価格を廃止するとともに、義眼費用の全額を助成すること。

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