請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 1701 件名 長良川河口堰に対する環境アセスメントの実施等に関する請願
要旨  長良川河口堰(ぜき)のゲートが閉鎖されて六年が経過した。以前から指摘されていたように、閉鎖後、堰の上流域は湖沼化し、水質悪化の指標であるアオコが毎年発生しており、堰の下流域でもヘドロが堆積(たいせき)し、ヤマトシジミが絶滅の状態にある。また、長良川のシンボルである天然アユの遡上(そじょう)は皆無に等しく、サツキマスも激減するなど環境の悪化が深刻化している。そもそも長良川河口ダム(堰)は利水が最大の目的であったが、その後の我が国経済の構造変化によって愛知県及び三重県は「水余り」の状況となっており、新たな工業用水の需要は皆無となっている。上水道の需要についても同様であるにもかかわらず、当局は従来の木曽川からの取水を河口堰からの取水に切り替えたり、切り替えようとしている。しかも、国土交通省、水資源開発公団などは、将来の水の需要を過度に見積もっただけでなく、河口ダム(堰)の建設は治水が主目的であると強弁している。一方、長良川沿岸の主要な漁業協同組合(組合員)及び多くの釣り人からは、天然アユの降下・遡上期には河口堰のゲートを上げるべきであると、また海抜下にある三重県長島町の住民からは、洪水時や地震時に危険となる河口堰を取り払うべきであるとそれぞれ切実な声が上がっている。このように長良川河口堰は環境には有害、利水には無用、治水には危険であることは論を待たないところである。
 ついては、河口堰の最終的な撤去に向け、当面次の事項について実現を図られたい。

一、河口堰のゲートを直ちに開放するとともに、厳密な環境アセスメントを公正かつ民主的に実施すること。
二、「水余り」の状況の下、巨額の税金を投入する無駄な導水事業工事を直ちに中止すること。
三、上水道の給水については、直ちに河口堰取水から木曽川取水に戻すこと。

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