請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 748 件名 国立病院及び療養所における院内保育所の存続等に関する請願
要旨  男女共同参画社会基本法が制定され、女性の社会進出が当然となっている中、働く環境や条件整備、取り分け、保育体制は不十分である。地域によっては待機児童があふれ、ずさんな保育施設での事故や虐待の報道が後を絶たない。このような中、国立病院及び療養所の院内保育所は、働く女性の先駆けでもあった看護師の切実な要求から設置され、安心して子供を産み、育て、働き続けるための施設として大きな役割を果たしてきた。また、院内保育所はゼロ歳児から就学前までの児童を対象に二十四時間保育などの長時間保育体制を採り、看護師の不規則な業務を支えており、保育所職員は様々な困難を抱えながらも、専門性と創造性を発揮し、子供の全面的な発達を保障してきた。このように重要な役割を果たしているにもかかわらず、院内保育所は、厚生労働省第二共済組合の委託事業とされているため、国(病院)としての位置付けが曖昧(あいまい)となっている。職員の配置・処遇面においても国としての運営責任を果たしているとはいえず、医療の職場を支え、看護師が働き続ける上で院内保育所の存在は重要となっている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、子供の健やかな成長と家庭と仕事の両立を支援するため、「子どもの権利条約」及び児童福祉法の理念に基づき、保育の公的保障を拡充すること。
二、国立病院及び療養所に設置されている院内保育所の廃止・縮小を行わず、国の責任により存続・充実を図ること。取り分け、早急に次の改善を図ること。
 1 看護師などの病院職員が働き続ける上で大きな役割を果たし、医療現場を支えている院内保育所を病院内の一部署として位置付けるとともに、国の責任により設置・運営すること。
 2 子供の安全と豊かな発達を保障するため、保育士の配置基準を抜本的に改善するとともに、必要な財政措置を講ずること。
 3 保育所職員の定員化を図るとともに、賃金・労働条件を抜本的に改善すること。

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