請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 223 件名 国民の暮らしを守るための雇用確保及び社会保障の拡充に関する請願
要旨  産業活力再生特別措置法などリストラの促進につながる法律の制定に伴い、四年間で五十万人もの労働者が削減されており、今後更に百万人程度の削減が見込まれている。しかし、ドイツやフランスなどでは労働者を保護する法律が制定されており、我が国のような乱暴なリストラを防止している。また、平成十二年四月から介護保険制度が実施されているが、利用料の高負担や介護サービスの基盤整備の遅れにより希望するサービスを受けられない事態が生じている。昨年十月からは六十五歳以上の高齢者からも介護保険料が徴収されているが、年金法改悪に伴い年金給付額が減少していることから、高齢者の生活に深刻な影響を及ぼすことが懸念される。一方、公共事業に対する投資は年間で五十兆円を超え、対GDP(国内総生産)比は欧米諸国の三〜四倍にも及んでいるが、中小企業に対する発注は全体の三割程度にとどまっている。ゼネコン浪費型の公共事業を福祉・教育などの生活基盤の拡充事業に転換することにより、失業者の就労に結び付ける必要がある。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、働くルールを確立すること。
 1 労働時間を短縮すること。
  (一)労働時間については政府の公約である年間千八百時間を直ちに実現するとともに、週三十五時間労働制及び時間外労働の男女共通規制に向け、具体的な措置を講ずること。
  (二)戦後最悪の雇用・失業問題を解決するため、労働時間の短縮、取り分け、不払残業の禁止により雇用を創出すること。
 2 整理解雇の四要件を含む「解雇規制法」を制定すること。
   企業分割及び営業譲渡など、企業組織の変更を理由とする解雇及び労働条件の不利益変更を禁止する「労働者保護法」を制定すること。
 3 全国一律最低賃金制を法制化すること。
二、介護保険制度を始めとする社会保障制度の抜本的な改善を行うこと。
 1 介護保険については、住民税を課税されていない者を始めとする低所得者に対し利用料を減免するとともに、保険料の徴収を見直すこと。
 2 高齢者に対する医療費の負担増など健康保険改悪を行わないこと。
 3 国民年金(基礎年金)の国庫負担割合を三分の一から二分の一に速やかに増やすこと。全額国庫負担による「最低保障年金制度」を創設し、無年金者及び低額の年金受給者をなくすこと。
三、緊急地域雇用特別交付金の交付期間を延長するとともに、交付額を大幅に増額し、運用を改善すること。

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