令和6年6月14日
参議院本会議
イスラエルとハマス等のパレスチナ武装勢力との間では、武力衝突と停戦が長年にわたり繰り返されている。昨年十月七日のハマス等によるイスラエルに対するテロ攻撃が発生し、ガザ地区での戦闘が始まってから、約八か月が経過した。戦闘が長期化する中で、子供や女性、高齢者を含む多くの死傷者が発生するなど、ガザ地区は危機的な人道状況にあり、イスラエル国民・パレスチナ人が有する戦争による「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」が侵害される耐え難く痛ましい事態となっている。そして、国際社会においては、「人間相互の関係を支配する崇高な理想」の表れとして、人質の解放や一般市民の犠牲を防ぐことを求める多くの声が上がっているところである。
本院は、人質の解放が実現するよう、そして人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されるよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦に繋がるよう強く期待する。また、未だ多くの人々が身を寄せるガザ地区南部ラファにおける全面的な軍事作戦に反対するとともに、人道支援活動が阻害されることのないよう求める。
政府においては、本院の意を体し、人質の解放と停戦が実現するよう、関係国とも緊密に連携しつつ、国際連合安全保障理事会やG7の一員として環境整備に取り組むよう求める。引き続き、人間の尊厳と平和主義の理念に則り、ガザ地区の人道状況の改善、事態の早期沈静化のために格段の外交努力を払うべきである。
右決議する。
(浅尾慶一郎君外九名発議)