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本会議決議

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 世界保健機関(WHO)の台湾への対応に関する決議

令和3年6月11日

参議院本会議

パンデミック(世界的大流行)に発展した新型コロナウイルス感染症を終息させるためには、国際的な防疫網を構築する必要がある。そのためには、特定の地域が取り残されることによる地理的な空白を埋めるとともに、公衆衛生上の成果を上げた地域の有益な知見・経験を世界で共有することが欠かせない。

台湾は、二〇〇三年の重症急性呼吸器症候群(SARS)で三十七人の死者を出した教訓から国際感染症の防疫を極めて重視しており、新型コロナウイルス発生直後から検疫体制の強化や感染症指揮センターの設置の他、マスクの生産増強や流通管理などを先駆的に実践してきた。こうした迅速な取り組みによる成果は、世界が注目するところとなっている。

しかし、新型コロナウイルス対策を重大な議題に位置づけ、昨年五月と十一月及び本年五月に開催されたWHO(世界保健機関)の年次総会では、中国の強硬な反対により、台湾のオブザーバーとしての参加が認められなかった。五月五日に閉幕した先進七か国(G7)外務・開発大臣会合は、WHO会合への「台湾の意義ある参加」を支持することを明記した共同声明を採択した。このように国際的に重要な会議に台湾が参加できないことが、国際防疫上、世界的な損失であることはもはや各国の共通認識となっている。

そこで、このような現状に対して強い懸念を表明するとともに、国際的な公衆衛生上の緊急事態の収拾に資するべく、WHOの年次総会等への台湾の参加が実現されるよう、以下決議する。
一、関係各国に対し、今般の新型コロナウイルス感染症対策及び今後の世界的な公衆衛生危機対応のために、WHOの次回総会より台湾がオブザーバーとして参加することを認めるよう求める。
二、日本政府には、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態の収拾に資するべく、台湾がWHOの年次総会にオブザーバーとして参加する機会が保障されるよう、関係各国に強く働きかけることを求める。

(有村治子君外十三名発議)