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本会議決議

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 平成三十年七月豪雨の災害対策に関する決議

平成30年7月11日

参議院本会議

台風第七号と台風から変わった低気圧、及び日本付近に停滞した梅雨前線により発生した豪雨災害は未曾有の大災害となり、多くの尊い人命が失われ、被災地においては今なお混乱した状況が続いている。

本院は、ここに院議をもって、犠牲となられた方々に対し、深甚なる哀悼の意を表するとともに、ご遺族並びに被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げる。

政府においては、衝撃的な被害をもたらした豪雨災害による影響を直視し、いまだ全容が解明できていない災害の状況把握に努めることはもとより、本格的な台風シーズンを迎える中で、被災地等において更なる被害が生じることのないよう、一層の防災・減災対策を講ずるべきである。

以上のような観点に立って、政府は、地方公共団体、ボランティア団体、国民等との緊密な連携のもとに、迅速かつ適切な措置を講ずるとともに、特に次の事項について万全の対策を期すべきである。

一、政府は、人命の救助に全力を傾注するとともに、いまだ安否が不明である多くの方々に対する確認を一刻も早く進めること。

二、政府は、速やかに被災状況を掌握し、早期の激甚災害の指定を行うこと。

三、政府は、国の総力を挙げて、避難所等における被災者の安心・安全で良好な生活環境を確保するとともに、心のケアや健康の確保を含む生活の回復と復興を速やかに実現すること。その際、高齢者、障害者、女性等多様なニーズに配慮した支援を実施すること。

四、水道、電気などライフラインや仮設住宅等の確保により被災地の生活基盤の早急な回復を図り、民生の安定に努めるとともに、復興に重要となる道路、鉄道、港湾等の交通ネットワーク、通信インフラ及び農林水産業・中小企業を始めとする産業基盤、子どもたちの教育環境等の速やかな復旧・復興を促進すること。また、雇用の安定が図られるよう対策を講ずること。

五、災害復旧、復興にかかわる財政、税制、金融措置について万全を期すること。

六、特別警報等について、より正確かつ速やかに伝達するため、引き続き不断の見直しを徹底し、地域の実情に合ったものとなるようにすること。

七、住民等の迅速な避難行動に資するため、市町村長が「空振り」を恐れることなく速やかに避難勧告や避難指示等を発令するとともに、避難行動の徹底が図られるよう、市町村へのあらゆる支援を強化すること。

八、住民に対し早い段階から確実かつ迅速に防災情報を伝達するため、高齢単身世帯等を含む要支援者への配慮等、多様な伝達手段の整備を促進し、適切な避難の確保を図ること。

九、近時における災害の頻発化・激甚化に鑑み、ソフトとハードの両面を組み合わせた土砂災害対策等、治水対策をより一層強化するとともに、社会インフラの老朽化対策を加速すること。

右決議する。

(山本順三君外十四名発議)