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本会議決議

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 北朝鮮による五度目の核実験に対する抗議決議

平成28年9月26日

参議院本会議

去る九月九日、北朝鮮は、五回目の核実験として、核弾頭爆発実験を実施した旨発表した。これは、一連の国連安保理決議や六者会合共同声明、日朝平壌宣言に明確に違反するものであり、また、唯一の被爆国である我が国として決して容認できるものではなく、断固として抗議する。

北朝鮮が、本年に入って弾道ミサイルの発射を、我が国の排他的経済水域に落下したものや、潜水艦から発射したものを含め、既に二十一発実施したことに加え、核実験を一月に引き続き再度強行したことは、我が国の安全に対する直接的脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、極めて強く非難する。

本院は、今般の核実験に対し重ねて厳重に抗議するとともに、北朝鮮が、これまでの諸合意に従って速やかに全ての核を放棄し、IAEAの査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むことを強く要求する。また、北朝鮮に対し、関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行することを改めて要求する。

そして政府は、かかる核・ミサイル能力の増強に向けた北朝鮮の行動に対し、断固たる抗議の意志を表明すべきである。また、北朝鮮の核開発は、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、国際社会に対し、国連安保理決議に基づく制裁措置を完全に履行するよう強く求めるべきである。あわせて、国際社会は、結束した外交努力を展開し、平和的な解決を模索すべきである。

さらに、政府は、北朝鮮による更なる核実験の場合には更なる重要な措置をとる決意を表明した国連安保理決議二二七〇号を踏まえ、より強力で実効性のある制裁措置を含む決議の採択を早期に実現するよう、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国との協力を強化しつつ、国連安保理における議論を主導する外交努力を展開すべきである。同時に、我が国独自の制裁を徹底するとともに、新たな制裁を含め北朝鮮への圧力を強化すべきである。これらを通じ、北朝鮮が現在の行動を改めない限り、国際的な批判と孤立を招くだけであり、将来に活路を見いだすことはできないことを認識させるべきである。

また、政府は、北朝鮮情勢に関する情報収集・分析を徹底し、国民に対して的確な情報提供を行うとともに、核実験及びミサイル発射の兆候・実施が認められる不測の事態にあっては国民への適切な周知を図るべきである。加えて、不断に必要な態勢をとるほか、米国等と緊密に連携し、我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。

北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核、ミサイル、そして、最重要課題である拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。

右決議する。

(山本順三君外十二名発議)