平成21年6月17日
参議院本会議
わが国は、唯一の被爆国として、これまで世界の核兵器廃絶に向けて、一九九四年以来、国連総会へ「核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮」決議案提出など、先頭に立って活動してきたが、これからも、一層行動する責務がある。
しかし、冷戦後の現在においても、核兵器のみならず、核爆弾搭載可能なミサイルの開発、核物質や核技術の流出、拡散等の脅威はむしろ高まりつつある。この状況を打開する為、去る四月五日、オバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を追求する決意を表明した。また、国連安全保障理事会も北朝鮮の核実験に対し国連安保理決議第一八七四号等で断固たる拒否の姿勢を示した。
我々はこの事態を重く受け止め、核保有国・非核保有国等と連携をとり、核軍縮、核不拡散の取り組みと実効性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきである。また、政府はこの機会を捉え、二〇一〇年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議において、主導的役割を果たすとともに、核保有国をはじめとする国際社会に働きかけ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の推進など、核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきである。
右決議する。
(西岡武夫君外八名発議)