参議院では、国会議事堂という歴史的建物としての価値をいかした上で、障がいを有する方々の要望を取り入れつつ、より一層のバリアフリー化によって、国会議員、参観者、外国賓客など参議院を訪れる全ての人にとって使いやすい開かれた参議院を目指し、更なるバリアフリー化整備を進めています。
議院運営委員会理事会協議に基づき、車いすを利用する議員がより円滑に登壇できるよう、議場の格調高いデザインに配意しつつ、ひな壇前の通路の両側にスロープを設置しました。
(仮設スロープによる検証)
なお、本整備に当たっては、車いすの走行性や議場の雰囲気との調和を確認するため、実物大の仮設スロープを設置して細かな調整を行いました。
議場内に出入りがしやすく、スペースを確保できる位置にある既存の議席3席を取り外して床上げを行い、大型車いす専用議席2席を整備しました(医療機器用電源等の整備を含む)。また、整備済みの既存の車いす対応議席を指定位置に移設し、移動の安全性を高めるため議席の周辺整備を行いました。
(垂直型昇降機)
(斜行型昇降機)
議員登院や外国賓客の送迎の場である正玄関の内外にそれぞれ昇降機を新設し、車いすを利用する方も迂回することなく正玄関から登院できるようにしました。
正玄関の内部には、議事堂の歴史ある雰囲気に調和するようデザインに配意した垂直型昇降機を設置し、外部には斜行型昇降機を設置しました。
選挙後の国会に初登院する際などに使用される中央玄関において、車いすを利用する方も本館内に円滑に移動できるよう、中央玄関に隣接する階段に昇降機を新設しました。
車いすで本館から分館に移動するには、一度建物の外に出なければならなかったため、連絡地下道にエレベーターを新設し、悪天候時でも雨に濡れずに移動できるようにしました。
また、分館と別館の身障者用エレベーターの奥行きを広げ、大型の車いすでも利用できるように改修しました。
別館と分館をつなぐ連絡地下道の昇降機を大型車いすでも利用できるよう斜行型から垂直型に改修し、委員会を傍聴する方等がより円滑に移動できるようにしました。
本館1階と3階にオストメイト対応トイレや介護用ベッド等を備えたバリアフリートイレを整備し、本館の各階でバリアフリートイレを利用できるようにしました。また、分館のバリアフリートイレの入口を広げ、より利用しやすいよう改修しました。
分館第43委員会室内の傍聴席に大型車いすを利用する方でも傍聴できるスペースを確保しました。
また、第22、24、32、34委員会室にも車いす用スペースを整備しました。
別館1階玄関のスロープを改修し、屋根付きのスロープとして整備しました。
議場の傍聴席に車いすを利用する方でも傍聴できるスペースを増設しました。
(平成31年1月整備)
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