第8回(臨時)国会
昭和25年7月24日
参議院本会議
わが国の電力事情が産業の再建に重大な支障を与えている事実に鑑み本院は、昨年五月十六日に水力電源関発に関する決議を行つた。政府は、この国民あげての要望に応え昨二十四年度から電力関係に対し重点的に対日援助見返資金の融資を行い、これによつて水力発電所二十六ケ地点をはじめとして四百九十五件の工事が極めて順調に進捗し、電力安定の前途に光明が与えられた。
然るにこれ等の工事継続のため二十五年度においては約百五十億円の見返り資金の融資を必要とするにもかかわらず第一・四半期分すら融資未確定の有様であつて、このまま推移すれば八月以降は全面的に工事打切りもやむなき窮状に迫られている。かくてはわが国経済安定の基盤を危くするのみならず、未完成施設の放棄及び工事現場収拾のための多額の損失と関連産業を含めて多数の失業者とを生じ、当面の経済界に混乱を招くことは必至である。
政府においては電源開発の重要性を改めて自覚し、工事遂行に支障を与えないよう見返資金の融資促進につき必要な措置を講ずることを要求する。
右決議する。